
元気に、自分のことは自分でできる人生が、
仮に85年続くとします。
その85年の中で、私たちは
睡眠、仕事、移動、食事、身支度など、
すでに多くの時間を「生活の維持」に使っています。
例えば、睡眠は人生の内28年、仕事10~12年、食事5年、トイレや移動は1年以上費やしているという調査もあります。
こうした時間を合計すると、
人生の大半が、
「生きる準備」と「回復」に費やされていることが分かります。
それでも体感としては、
「思ったより時間がない」と感じる人が多いのではないでしょうか。
ここで関係してくるのが、
人間の時間の体感です。
年齢を重ねるほど、
1年が人生に占める割合は小さくなります。
5歳にとっての1年と、
50歳にとっての1年が、
同じ長さに感じられないのは、そのためです。
その結果、
年齢が上がるほど
「時間が早く過ぎる」と感じやすくなります。
ただしこれは、
時間そのものが短くなるわけではありません。
違いが生まれるのは、
その時間を、どんな状態で過ごせるかです。
体調が良い日と、
疲れきって何もできない日では、
同じ1日でも、体感の密度はまったく異なります。
ここで私が伝えたいのは、
健康寿命とは
「長く生きること」だけでなく、
使える1日を、どれだけ積み重ねられるか
という視点だということです。
もちろん、
健康寿命において最も重要なのは
その「長さ」です。
健康寿命が短いまま年齢を重ねると、
時間の体感が早くなるほど、
人生は「消化試合」のようになってしまいます。
だからこそ、
日々の体調、回復、余白が重要になります。
健康寿命は、
特別な努力の結果というより、
無理をしなかった日の積み重ねでしか伸びません。
そのためには、
頑張りすぎる努力を減らし、
回復を優先し、
楽で、長く続けられる選択をする必要があります。
とはいえ、
健康より「楽しさ」を選ぶ人生も、否定されるものではありません。
よく笑い、
ストレスを感じにくい選択をすることが、
結果として健康寿命を延ばすこともあります。
大切なのは、
健康と楽しさを天秤にかけることではなく、
回復を邪魔しない生き方を選ぶことなのだと思います。


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